ジャンル: ROCKアーティスト情報

ANTONY & THE JOHNSONS
2008.09.10

本名アントニー・ヘガティ。1971 年、イングランド南東部に位置するサセックス地方の町チチェスターに生まれる。1977 年にはアムステルダムに、さらに10 才の頃にはカリフォルニアのサン・ホセに移住。80 年代初めに相次いで登場したカルチャー・クラブのボーイ・ジョージやソフト・セルのマーク・アーモンドといった英国のシンガーを知り、そのジェンダーを越えた中性的な魅力に強い影響を受ける。地元の大学に進学した10 代の終わり頃には、ジョン・ウォーターズの映画を元にした舞台劇を演出する。1990 年、ニューヨークに移り、NYU の実験演劇コースに入学(*1)。サンフランシスコのヒッピー文化とゲイ解放運動が結びついた異色の演劇集団、コケッツの中心メンバーのひとりだったマーティン・ウォーマンに出会う(*2)。1992 年の夏には、ジョアンナ・コンスタンティンらと共に前衛的なパフォーマンス・グループ、ブラックリップスを結成。イースト・ヴィレッジのピラミッド・シアターで毎週月曜日の夜に定期公演を行い、NY のアンダーグラウンドなクラブシーンで注目を集める(*3)。1995年にブラックリップスが解散した後は、演劇性を残しつつもより音楽に傾斜した新たなグループ、アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ(*4)を率いて活動。2000 年、カレント93 のデヴィッド・チベットが運営するUK のレーベル、デュルトロより、セルフタイトルのデビュー・アルバムを発表。さらに、翌2001 年にリリースしたEP『I Fell in Love With a Dead Boy』がプロデューサーのハル・ウィルナー(*5)の目に留まり、ウィルナーを通じてルー・リードにも紹介される。2003 年、リードの世界ツアーでバッキング・ヴォーカルに抜擢され、アルバムの録音にも参加。2005 年、アメリカではシークレットリー・カナディアン、ヨーロッパではラフ・トレードより、セカンド・アルバム『アイ・アム・ア・バード・ナウ』をリリース。同作により、英国最高の音楽賞とされるマーキュリー・プライズを受賞。MOJO 誌の「アルバム・オブ・ジ・イヤー」にも選出された。2009 年1 月、敬愛する日本の舞踏家、大野一雄の写真をジャケットに配したサード・アルバム『クライング・ライト』を発表。ビルボードのヨーロッパ・チャートで1 位を記録する。ビョークとルー・リードの他にも、ルーファス・ウェインライト、ブライアン・フェリー、マリアンヌ・フェイスフル、Hercules and Love Affair 、マシュー・ハーバート、ヨーコ・オノ、ローリー・アンダーソン等々、様々なアーティストとコラボレーションを行っている。

(*1)NY のアンダーグラウンドな音楽やパフォーマンス・アートのシーンを取材したドキュメンタリー映画『モンド・ニューヨーク』(1988)の中で、ビリー・ホリデイに扮してビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」を歌うドラッグ・クイーン、ジョーイ・アリアスの姿に感銘を受けた、とアントニーは後のインタビューで語っている。

(*2)コケッツは、1960 年代末、サンフランシスコのヒッピー・コミューン「カリフラワー」の一員だったハイビスカスらを中心に結成。髭をたくわえたドラッグ・クイーンというハイビスカスの強烈な外見や、自由奔放できらびやかなステージによって注目を集め、後のディスコの「女王」シルヴェスターをはじめ、ジョン・ウォーターズの映画で有名になるディヴァインやミンク・ストールも出入りしていた。ウォーマンは、エイズがNY のゲイ・コミュニティで猛威を振るっていた87 年頃に元メンバーたちを取材し、コケッツの歴史を記述していたが、道半ばにして自身もエイズに倒れ、93 年に死去。だが、NYU に提出される予定だったその未完の博士論文は、デヴィッド・ワイスマンとビル・ウェバーによるドキュメンタリー映画『ザ・コケッツ』(2002)の重要な典拠となった。

(*3)「Cripple and Starfish」「Blue Angel」「Hitler in My Heart」といった曲はすでにこの頃からブラックリップスの舞台で披露していた。

(*4)NY の伝説的なドラッグ・クイーンにしてトランスジェンダーの活動家だったマーシャ・P・ジョンソン(1945-1992)の名前に由来している。

(*5)80 年代初頭から長年にわたって米NBC の人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」の音楽監修を務めるかたわら、ニーノ・ロータ、セロニアス・モンク、チャールズ・ミンガス、クルト・ヴァイルらへの斬新なトリビュート・アルバムを次々に企画・プロデュース。さらにジェフ・バックリーやレナード・コーエンらへのトリビュート・コンサート(後者にはアントニーも参加)もプロデュースしている。さらに、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの監督ゴア・ヴァービンスキーと主演のジョニー・デップの構想(「海賊や船乗りにまつわる伝承歌」を集めるというもの)にウィルナーが肉付けした野心的なコンピレーション『Rogue’s Gallery』(2006)では、アントニーとブライアン・フェリーのデュエットを聴くことができる。アントニーが参加したマリアンヌ・フェイスフルの最新作『Easy Come, Easy Go』(2008)もやはりウィルナーのプロデュース。

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BOBB TRIMBLE
2008.09.10

これは紛れもなく今年度のリイシューのみならず、新作リリースも含めて最も衝撃的な事件のひとつだ!  不世出のシンガーソングライター、ボブ・トリンブルが80年代初頭に残したサイケ/アシッド・フォーク/ロック史上に残る至高の名盤2枚が遂に初の正規CD化(激レアなファーストのオリジナル盤は時に10万円を超える高値で取引されている)!  本人監修のリマスター(従来出回っていたブートレグとは比較にならない音質)、ボーナストラック多数収録! 25年の時を超えて今なおリスナーの脳天を直撃し、ハートを撃ち抜いてやまない、とんでもない音塊に茫然自失。 ヴァシュティ・バニヤン、リンダ・パーハックス、ジュディ・シル、カレン・ダルトン、ピーター・アイヴァース級の衝撃!!

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THE ALUMINUM GROUP
2008.09.10

現代のドナルド・フェイゲン&ウォルター・ベッカーか? はたまたアメリカのキリンジか? チャールズ&レイ・イームズのデザインによる家具に敬意を表して名づけられた、シカゴ随一のシルキー・ポップを奏でるゲイ兄弟((c)レティシア・サディエール/ステレオラブ)、フランク&ジョン・ネイヴン=ア。

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SWEET BILLY PILGRIM
2008.09.10

ティム・エルセンバーグ、アリステア・ハマー、アンソニー・ビショップの3人から成るスウィート・ビリー・ピルグリム。 04年にシングル「Ain’t No Jesus Here」でデビューし、ジェイムズ・ヨークストンのサポートや、デイヴィッド・シルヴィアンの傑作『ブレミッシュ』のリミックス・アルバムへの参加などによって徐々に注目を集めてきた。 本国イギリスでは、フォークトロニカの新星などと言われることもある彼らだが、その本質は、あくまでも“うた”、そしてメロディにあると言えるだろう。ウィルコやアイアン・アンド・ワインに通じるアーシーさと、シルヴィアンやイーノのような優美さを併せ持つと評されるその音楽は、ルーツ・ミュージックに根ざしつつも、あくまでもクールで洗練された感触を持つ。

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MARSHALL & THE FRO
2008.09.10

オーストラリア東海岸のサーファーのメッカ、バイロン・ベイで結成された、マーシャル・オーケル(g/vo)、ニック・オールソン(b)、ジェイコブ・マン(ds)の若きトリオ。

自ら「Mojo Working Aussie Roots Music」と名乗るほど、ブルースをはじめとするルーツ・ミュージックに対する愛情は強く、それにレイドバックな土地柄も相まって、ノリの良いオーガニックで自然体の音楽を奏でる。

本国ではすでにEast Coast Blues & Rootsフェスをはじめ、数多くの著名フェスに出演を果たし、ワンマン・ツアーでも国内を沸かし続けている。

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TED LEO AND THE PHARMACISTS
2008.09.10

90年代に一世を風靡したワシントンDCのモッド・パンク・バンド、チゼルのリーダーであったテッド・レオは、バンドの解散後、1999年にファーマシスツ名義での最初のアルバムを発表。

以来、ベーシストのデイヴ・ラーナーとドラマーのクリス・ウィルソンを固定メンバーとして、これまでに4枚のフル・アルバムをリリースしてきたが、精力的なツアー活動と熱気に満ちたライヴ・パフォーマンスによってインディーロック層にとどまらない幅広い支持を得る。

2006年にはアメリカ最大のロックフェスのひとつ、コーチェラに出演。2003年には初来日を果たして全国数箇所を公演し、東京ではビート・クルセイダーズとも共演、ヒダカトオルやハスキング・ビーのメンバーにも絶賛されている。

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SUFJAN STEVENS
2008.09.10

ミシガン州デトロイト生まれ。若くして独学で音楽家を志し、大学生の頃には、オーボエ、リコーダー、バンジョー、ギター、ヴィブラフォン、ベース、ドラム、ピアノ、さらに枚挙に暇がないほど多くの楽器の演奏に精通していた。2003 年、出身州をテーマとしたアルバム『ミシガン』が世界中で反響を呼び、エリオット・スミス以来の驚嘆すべき才能と騒がれる。2005 年には、アメリカ50 州のそれぞれのためにアルバムを作るという壮大なプロジェクト「The 50 States」の第二弾となる『イリノイ』を発表。語り手としての俯瞰的な視点とディテールへのこだわり、哀愁とユーモア、緻密なソングライティング/アレンジの手腕を遺憾なく発揮したユニーク極まりない作品性が高く評価され、セールス面でも大きな成功を収める。さらに2006 年、『イリノイ』のアウトテイク集『ジ・アヴァランチ』とCD5枚組の『Songs for Christmas』を相次いでリリース。2009 年には、ブルックリンのオペラハウス、BAM(Brooklyn Academy of Music)から委嘱されたコンポジション/映像作品「The BQE」(ブルックリンとクイーンズを結ぶハイウェイ、BQE をテーマにしたもの)をもとに、自身が新たに編曲・録音・ミックスを手がけ、映像にも再編集を施したCD/DVD2 枚組を発表するなど、決まり事にとらわれない自由奔放な創作活動を続けている。批評家たちのみならず、同業のミュージシャンの間でも一種のアイコン的な存在となり(スノウ・パトロールのヒット・シングル「ハンズ・オープン」にも実名で登場)、『リトル・ミス・サンシャイン』や『O.C.』をはじめとした映画やTV ドラマでもその音楽が頻繁に使われている。自身のレーベル、Asthmatic Kitty 所属のアーティストをはじめ、ダニエルソン・ファミリー、ザ・ナショナル、クレア&ザ・リーズンズなど、他アーティストの作品への参加も多い。

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IRON&WINE
2008.09.10

サム・ビームはフロリダ州マイアミに住んでおり、アイアン&ワインという名前で音楽を作っている。

彼は2人の娘の父親であり、地元の大学で映画について教えている。 2

002年9月には、彼のデビュー・アルバム『The Creek Drank the Cradle(小川が揺りかごを飲んだ)』がリリースされた。

そのレコードは、静謐で洗練され、親密でメロディアスであり、その飾らない率直さと深みによって多くのファンを得た、言うなれば内緒の宝物のようなものだった

(エンターテインメント・ウィークリー:「よりによってマイアミに拠点を置いているビームは、甘美な悔恨の囁きの風船を、トランスを引き起こすような荒っぽいストリングアレンジの上に飛ばして、自分の心も引っ張りながらどこかへ漂っていくのを見ている」/ザ・オニオン:「美しく軽やかなポップにも暗鬱なバラードにも確かな才能を見せるビームは、これらの曲に聴く者を捉えて離さない美しさと輝くようなメロディーをもたらし、とても感動的で、しかも聴きやすいものにしている」)。

デビュー作のバイオグラフィにおいても、(多分、そのバイオグラフィによって始まり、無意識のうちに実現されつつあった予言としての)発売後の媒体からの反響においても、その大部分の焦点は次の2つの事実にしぼられていた:サム・ビームはマイアミに住んでいるということ、そして、彼の音楽の大部分が宅録であるということ。これは何らかの興味深い文脈をもたらすが、あくまで文脈であるにすぎない。

簡単な説明をすれば、サムは温暖な気候が好きで、4トラック・レコーダーのある場所が彼の自宅だった(そこは彼の家族がいる場所でもある)というだけの話だ。

2003年9月、サブ・ポップは、『The Creek Drank the Cradle』と同時期の録音から選ばれた曲から成る『The Sea and The Rhythm』というタイトルの5曲入りEPをリリースした。

これらの曲の底に新しい楽観主義が流れていると見て取る者もいた(ピッチフォーク「ビームは震えるような期待と恍惚とした奔放と淡々とした悔悛を押し出している」)。

本作とデビュー作の合間に、ビームはかなりの時間をツアーに費やし、ソロ(ロージー・トーマス、ラヴ・アズ・ラフターのサム・ジェインとザ・シンズのジェイムズ・マーサーとの弾き語りツアー)でもバンドでも各地を回った。

アイアン&ワインが一緒に演奏やツアーをしたアーティストには、ホロパウ、ブロードキャスト、ザ・シンズ、アグリー・カサノヴァ、ザ・デュセンバリスツ、フルーツ・バッツ等がいる。

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GROUND COMPONENTS
2008.09.10

巷で話題のUKロック勢を軽々と凌駕する圧倒的なパワー。パンク、ソウル、ファンク、レゲエ、ブルース等のエッセンスを咀嚼しながら独自に深化させた強靭かつ柔軟なガレージ・ロック・サウンドでオーストラリアを席巻しているメルボルン出身の4人組。

メンバー:ジョー・マクギガン(ヴォーカル,ギター)、ダラス・パクストン(キーボード)、インドラ・アダムズ(ベース)、サイモン・マクギガン(ドラムス)の4人で2002年に結成。

本国ではティーンエイジ・ファンクラブ、Jマスキス、ミューズ、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー、マイ・モーニング・ジャケット等のサポートを経験しており、近年ではビッグ・デイ・アウトをはじめ大規模なフェスにも多数出演。

2007年5月には、オーストラリアでゆらゆら帝国との共演も果たしている。

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GROUP
2008.09.10

トランペット、ソプラノ・サックス、ギター×2、ベース、ドラムから成るインストゥルメンタル・バンド。2001年に内田直之(LITTLE TEMPO、OKI DUB AINU BAND等)の録音&ミックスによる1stアルバム『RECORD』(WEATHER/P-VINE)でデビュー。その後、コンピレーションへの参加や映画音楽への楽曲提供などを経て、2004年に前作と同じく内田直之の録音&ミックスによる2ndアルバム『Before Turning Off the Light』(P-VINE)をリリース。叙情と緊張感が同居したエモーショナルな音楽は、多くのファンを魅了してやまない。現在のメンバーは、タケヒサ(g)、イゲ(g)、イシカワ(b)、テツロウ(ds)、ハンチョー(tp)、ケンジー(ss)の6人。GROUPという名のGROUP。

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