IRON&WINE アイアン&ワイン

サム・ビームはフロリダ州マイアミに住んでおり、アイアン&ワインという名前で音楽を作っている。

彼は2人の娘の父親であり、地元の大学で映画について教えている。 2

002年9月には、彼のデビュー・アルバム『The Creek Drank the Cradle(小川が揺りかごを飲んだ)』がリリースされた。

そのレコードは、静謐で洗練され、親密でメロディアスであり、その飾らない率直さと深みによって多くのファンを得た、言うなれば内緒の宝物のようなものだった

(エンターテインメント・ウィークリー:「よりによってマイアミに拠点を置いているビームは、甘美な悔恨の囁きの風船を、トランスを引き起こすような荒っぽいストリングアレンジの上に飛ばして、自分の心も引っ張りながらどこかへ漂っていくのを見ている」/ザ・オニオン:「美しく軽やかなポップにも暗鬱なバラードにも確かな才能を見せるビームは、これらの曲に聴く者を捉えて離さない美しさと輝くようなメロディーをもたらし、とても感動的で、しかも聴きやすいものにしている」)。

デビュー作のバイオグラフィにおいても、(多分、そのバイオグラフィによって始まり、無意識のうちに実現されつつあった予言としての)発売後の媒体からの反響においても、その大部分の焦点は次の2つの事実にしぼられていた:サム・ビームはマイアミに住んでいるということ、そして、彼の音楽の大部分が宅録であるということ。これは何らかの興味深い文脈をもたらすが、あくまで文脈であるにすぎない。

簡単な説明をすれば、サムは温暖な気候が好きで、4トラック・レコーダーのある場所が彼の自宅だった(そこは彼の家族がいる場所でもある)というだけの話だ。

2003年9月、サブ・ポップは、『The Creek Drank the Cradle』と同時期の録音から選ばれた曲から成る『The Sea and The Rhythm』というタイトルの5曲入りEPをリリースした。

これらの曲の底に新しい楽観主義が流れていると見て取る者もいた(ピッチフォーク「ビームは震えるような期待と恍惚とした奔放と淡々とした悔悛を押し出している」)。

本作とデビュー作の合間に、ビームはかなりの時間をツアーに費やし、ソロ(ロージー・トーマス、ラヴ・アズ・ラフターのサム・ジェインとザ・シンズのジェイムズ・マーサーとの弾き語りツアー)でもバンドでも各地を回った。

アイアン&ワインが一緒に演奏やツアーをしたアーティストには、ホロパウ、ブロードキャスト、ザ・シンズ、アグリー・カサノヴァ、ザ・デュセンバリスツ、フルーツ・バッツ等がいる。