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レゲエ、ブルース、サイケを基盤とした演奏にポエトリーリーディングと女性ヴォーカルが乗るスタイルは唯一無二。2020年代最重要バンドになりうるgnkosaiBANDの最新アルバム『吸いきれない』がついに全国流通。
2021.04.01
INFORMATION
gnkosai(Dr / Poet)を中心に2013年結成。<FUJI ROCK FESTIVAL>や<祝・春一番>など国内フェスティバルへの出演も経験しながら、湘南・横浜を中心に活動を展開してきたgnkosaiBAND。2020年4月に自主レーベルから発表したアルバム『吸いきれない』がこの度流通作品として再リリースを果たす。
レゲエ、ブルース、サイケを主軸に、ブレイクビーツやダブもミックスされた無国籍なサウンドとアンサンブルはKhruangbinにも通ずる。またgnkosaiがポエトリーリーディングを乗せていくスタイルには、Linton Kwesi JohnsonやMutabarukaに代表されるダブ・ポエトリーにもルーツがあるだろう。しかし彼らにとってのリーディングはあくまでバンド・サウンドの一要素であり、その「音と言葉とビート」の三権分立が換骨奪胎な表現につながっている。
ソロプロジェクトmoqmoqでも活動しているオカザキエミ(シンセベース / Cho)が2018年に加わり初の音源である本作。gnkosaiのリーディングとオカザキの歌がシームレスに掛け合い、後半には別の詞が並立で発声されていくラテン・ロック「春一番」。中華風のサウンドを下敷きにしながら他の曲がカットインしていくダブ・ミックスで混沌の渦に巻き込んでいく「POSSE」。gnkosai単独のリーディング・パートからボサノヴァ・グルーヴに突入し、オカザキが随所でスキャットを入れていく「yajin」など、サウンドはもちろんだが、ボーカリゼーションの対比においても様々なアプローチがとられた全10曲が揃った。
中でも冒頭を飾る「Journey」は、出演してきたイベントと会場の名前をgnkosaiがひたすら「ワン・ツー」と読み上げていき、これまで活動を共にしてきたメンバーたちの名前も挟みこまれる楽曲。シンプルなブルース構造に乗ったその詞表現は、もはやポエトリーでもない領域まで手を伸ばしている。いわば彼らの実績と旅路を辿るメモリースティックだ。しかし以前のようにライブが出来ない状況が長らく続く現在においては、一つ一つの会場にエールを送る、応答確認としての「ワン・ツー」にも響いてくる。どうにか苦境を乗り越え、ライブで再訪することを願う、彼らなりのリアルなレベル・ミュージックなのだ。
全国に向けて放たれる『吸いきれない』。gnkosaiBANDは今あなたに「チェック ワン・ツー」と呼びかけている。
峯 大貴(ANTENNA – カルチャーを切り口に世界のインディペンデントな「人・もの・こと」を紐解くWebマガジン)
《商品情報》
アーティスト:gnkosaiBAND
タイトル:吸いきれない
レーベル:Pヴァイン
商品番号:PCD-25325
フォーマット:CD
価格:定価:¥2,750(税抜¥2,500)
発売日:2021年5月19日(水)
収録曲
01. Journey
02. 春一番
03. EASYなBGM
04. 春の精
05. POSSE
06. M3
07. Yajin
08. Nuts!
09. 再考
10. Patrick Taylor
gnkosaiBAND
読み方は自由、表記はgnkosaiBAND。
2013年結成。横浜、湘南を中心に活動の幅を広げ、「りんご音楽祭」「祝 春一番」「劇団 維新派 屋台村公演」「SPRING SCREAM (台湾)」「FUJI ROCKFESTIVAL 2018」等、野外イベントへの出演に加え、DAM (PNA) / Blue-eyed Son (L.A) / HeyMoonShaker (U.K) / EL HARU KUROI (L.A)等、海外アーティストのジャパンTOURにも積極的に参加。
これまでに「我笑軟化-なんか笑っちゃう」「尊尊我無-とうとがなし-」「Repeat」と3枚のアルバムを自主リリース。
レゲエ、ブルーズ、サイケ等、ルーツミュージックを基盤とした演奏にポエトリーリーディングが乗る、なんとも説明しづらいその音楽性は奇をてらわずとも唯一無二。聞けば解るさ。
http://gnkosai.com/gnkosaiband/