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日本を代表する作曲家、アレンジャー、キーボード奏者である井上鑑が1984年にカセットブックのみで発表した幻想の音世界『カルサヴィーナ』が世界初CD化!佐野元春など当時の関係者ほか多数レコメンドのコメントも到着!
2020.04.28
RELEASE
<コメント>(五十音順)
井上鑑(CDブックレット内掲載『断章』<回想録>からの抜粋)
今回のCD版リイシューで「カルサヴィーナ」には新たな角度の光が当たることになる。その織りなす影は今という時代感覚とシンクロして、36年前のエネルギーを翻訳、もしくは増幅して伝えてくれるだろう。中には原語を体験したいと思って、ほぼ絶滅状態のカセットテープ版を探し始める強者も現れるかもしれない。作者としては両方を聴き比べてもらえたら最高なのだが、高望みというものだろう。
もっとも、大瀧さんだったら「鑑くん、、そりゃーね、そういうもんだよ」とほくそ笑みながら、CDとカセットブックの両方を差し出してみせるに違いないが。
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佐野元春
再発された井上鑑『カルサビーナ』を聴いた。僕の記憶の彼方にあった懐かしい景色が蘇った。80年代前半。世界は新しい音楽の波動を感じていた。ピーター・ゲイブリエルやデヴィッド・バーンがデジタルとアフリカとの邂逅による化学反応を楽しんでいたように。ブライアン・イーノやフィリップ・グラスが電子の向こうにある広大な緑を再定義しようとしたように。同じ時代、日本では井上鑑がメンタルなダンスのためのユニバーサルな現代音楽を試みた。それが『カルサビーナ』だ。この偉業を新しい世代、特に若いクリエーターの人達に伝えたい。
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柴崎祐二(音楽ディレクター/ライター)
フュージョン、ニューウェーブ、現代音楽、民族音楽……それぞれの音楽要素が、井上鑑という巨大な才能によってメルトされ、境界線は何処へかと溶け出していく。
カセットブックという「あの時代」ならではの幸せな(しかし極めてニッチな)形態で世に送り出された本作は、長く一部マニアの珍重する音楽メモラビアとして古書店の隅で独特の虹彩を放ってきた。麗美でいて大胆、精緻でいて豪胆。秀逸なデジタル・リマスタリングを経て、いよいよ銀盤として姿を現したこのアルバムには、世界中の音楽ファンが大切に抱くべき「新しい過去」が宿っている。
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松岡正剛
ほほう、カルサヴィーナで来たかと思った。ぼくが井上鑑に注目するようになったのは、この洒落たカセットブックからだ。バレエ・リュスのテラスに、寄せては返す音のフュージョンの波形が粋な山水画のように組み上がっていた。伝説誕生だった。
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松本章太郎(和レアリック・ディスイクガイド監修)
大衆歌謡曲史を支えてきた井上鑑の極めてプライベートな作品。カセットブックでのみリリースされていた知られざるインストゥルメンタル音源が世界初CD化。ニジンスキーに導かれるまま舞踏情景のなかを彷徨うエキセントリックでロマンチックな世界。和レアリック。
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Patrick South(Writer/Musician) (Ice Choir)
『カルサヴィーナ』こそ井上鑑のエキセントリックで“ハイテク”かつ“ハンドメイド”な音楽的ヴィジョンを明確に示した作品といえるだろう。そして彼が最高の音楽を創りだしてきたアーティストであることの確かな証明だ!
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細野晴臣『花に水』、矢口博康『観光地楽団』、ムーンライダーズ『マニア・マニエラ』、南佳孝『昨日のつづき』といった一連の作品とともに冬樹社“カセットブックシリーズ SEED”として1984年に発表された井上鑑『カルサヴィーナ』が紙ジャケットCD仕様でついにリイシュー!
20世紀初頭の伝説的バレエダンサー“ニジンスキー”をテーマにテクノロジーとともに飛躍的な進化を遂げた電子楽器&機材と稀有なプレイヤーたちによる生演奏とを精密に重ね合わせた先鋭的なサウンドで、「当時だからこそ可能であった」と本人も語るように長時間に及ぶレコーディングやスタジオワークから生み出され楽曲はそれぞれアンビエント、ミニマル、エスノ、フュージョンといった側面を持ちながらも全編通してはカテゴライズ不可能なまさに幻想の音世界と言っても過言ではないでしょう。
今回の再発にあたりオリジナルのカセットテープに最新デジタル・リマスタリングを施し新たなマスターを作成、さらに井上鑑本人とエンジニアとして参加していた藤田厚生による当時の回想録もブックレットに掲載し本作の成り立ちからどのように制作されたのかまで詳細に記された80年代の音楽シーンが垣間見ることもできる資料的にも価値のある歴史的作品です!
また本作は音源のみの復刻となりますが、オリジナルのカセットブック/ブックレットに掲載されていた井上鑑×佐野元春のスペシャル対談など貴重な原稿を今回のリイシューを記念して特設サイトにて公開いたします!サイトのURLなど詳細はCDに封入されたブックレットに記載されておりますので音源とあわせてお楽しみください。
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『カルサヴィーナ』ティーザー
タイトル:カルサヴィーナ / Karsavina
アーティスト:井上鑑 / Akira Inoue
レーベル:P-VINE
品番:PCD-26076
定価:¥2,600+税
発売日:2020年4月29日(水)
http://p-vine.jp/music/pcd-26076
《収録曲》
1.プロローグ
2.アントルシャ・ディス
3.ア・キ・エス・パスポート
4.INNOVATIONS
5.ワスラフのいちご狩り
6.第二幕のはじまり
7.湖のピアノ
8.オンディーヌ
9.ア・キ・エス・パスポート(Version 2020)*
*Bonus track
【Musicians】
井上鑑 (Compose/Arrange/Piano forte/Synthesizer and more)
山木秀夫 (Drums/Percussions)
川村昌子 (筝/十七絃筝)
銅銀久弥 (V. Cello)
カクラバ・ロビ (ベラフォン, Percussion) on M8
高水健司 (E.Bass) on M4,M6,M8
今剛 (Guitar) on M8
浦田恵司 (Synthesizer Manipulate ,Sound Design)
野坂惠璃 (二十五絃箏) on M9
【井上鑑】
1953年9月8日、東京生まれ、作編曲家、作詞家、ピアノ、キーボード奏者。チェリスト・井上頼豊の長男であり桐朋学園大学作曲科にて三善晃氏に師事。桐朋入学前後より故・大森昭男氏との出会いによりCM音楽作曲、スタジオワークを始め、現在に至るまで寺尾聰「ルビーの指環」大滝詠一、福山雅治、他膨大な数のヒット曲、話題作を生み出す。1981年single「Gravitations」、Album「予言者の夢」で東芝EMIよりソロデビュー、以降先鋭的サウンドとメッセージに満ちた言葉を駆使した通算17枚のソロアルバムを発表。初期作品も再発売が相次ぎ、新世代DJたちの熱い支持を得ている。創作活動はジャンルを超え、箏や津軽三味線などの邦楽器やチェロを始めとする弦楽器と真摯に向き合った作品は独特の変拍子感覚と近現代的書法、優美なメロディーとハーモニーを併せ持つものである。2011年、書籍「僕の音、僕の庭」発表、2013年より「連歌・鳥の歌」プロジェクト主宰、現地カザルス財団のサポートを得て2016年カタルーニャ、ウクライナにて公演。同時期よりソロリサイタルを年1回シリーズで開催。Bela Bartok, Peter Gabrielを敬愛し David Rhodes, Tchad Blakeなど英国アーティストとの作品作りを80年代より続けている一方、盟友である今剛、山木秀夫などと商業ベースを超えた音楽作り+ライブを精力的に展開。
-Official Website-
https://www.akira-inoue.com