ジャパニーズ・ウェッサイ・シーンを代表する人気DJ、 FILLMORE のメガ・ヒットDVD/CD の 2枚組ミックス・シリーズ『Azian Mix !! Tha DVD !!』の最新となる第2弾のリリースを記念し、ロング・インタビューを公開！前作での成功を受け、それにおごることなくストイックに制作に挑んだ今作への思い、そして今作の聴きどころ、そして今後の展望などを語ってくれています！

◆FILLMORE インタビュー

Interview: 一ノ木裕之

■ West-Up TVシリーズ最新作も含めDVDミックスのリリースも順調ですが、改めて『AZIAN MIXX!! THA DVD!!』シリーズの狙い、ご自身にとっての意味合いは？

F: 前作のAZIAN MIXXX!! THA DVD!! vol.1がオリコンインディーズチャート(4月15日付け)で一位を獲得しました。このVol.2でも、手に取って聴いてくれた人、観てくれた人の心に届け、一位を狙っていきたいです。West-Up TVでは決められた音源に対してMIXXXをする作業をありがたくも自分が担当させて頂いていますが、AZIAN MIXXX!!は、選曲、繋ぎ(MIXXX!!)、ジャケットアートワーク、映像全てを監修しています。ジャケットデザインではEMG GRAPHIXXX!!、映像ではSCIENCE WORKS、アーティスト写真やモデル撮影ではHAVIT ARTに自分のイメージを伝えて形にしてもらっています。それと今回のモデルは某有名ブランドのモデルや海外で活躍しているAnyaさんが担当してくれました。みんながみんな自分の求めているもの以上に力を発揮してくれて今の形に仕上がりました。「これなら一番獲れる！」ってね。AZIAN MIXXX!!という、プロジェクトに携わってくれたみんなに感謝してます。最高のスタッフに囲まれて制作ができました。

■ それぞれのミックスの制作は実際どのように進めましたか？

F: 音源(ミックス)を作成しながらジャケットの構成を自分で創ります。構成ができたら並行してモデル撮影や自分の写真をHAVIT ARTに撮ってもらい、写真が完成する前に音源を仕上げ、写真の完成と共にジャケット制作に入ります。その後マスタリングに入り、最後の最後に、SCIENCE WORKSに映像を貼り付けてもらい、自分の作品のミックスに合わせて英文や効果をはめて行く作業になります。

■ 今回もFILLMOREさんならではのラジオジングル（？）的なブリッジを随所にはさんだ内容となりそうですが、DVD、CDそれぞれのミックス全体の流れや曲のつなぎなどで特に力を入れたことやこだわりは？

F: 全体になります。それも隅から隅まで力を注ぎました。一つでもかけるような事があれば発売しないです。音源の仕上げとなるマスタリングで細かな微調整をして元の状態から究極な状態まで仕上げていきます。ここで、少しでも油断して、力が注げてないところがあれば、それは聴いた人に伝わっちゃうからね。そんな事をちょっとでもしたらVol.3までいけない。まして、一位も獲れない。聴いてくれた人の心に届けていくっていうのは、作品で感動を与えるだけでなく、「毎日聴いています」って生活の一部になってもらえる事、ずっと聴いていけば些細なとこまで聴こえてきてしまう。細かなところまで全てに力を注いでいくことが、WESTAHOLICハイクオリティーだと思っています。

■ WESTAHOLICのアーティストをはじめウェッサイシーンのアーティストはもちろんYoung HastleさんやRYUZOさん、MARINさんの収録など前作から人選に広がりが見える内容ですが人選、選曲のテーマ、基準は？

F: AZIAN MIXXX!!の行く末は、「japanes hip hop magazine」日本のHIP HOP総合的なミュージックビデオミックスにしていくことです。でも、自分はHIP HOPのアーティストだから、接した事のないアーティストをミックスすることはないです。自分が創るミックスは、特別だからね、ここに「ぬるい？？」アーティストを自分の作品に入れる気なんてさらさら無いです。AZIAN MIXXX!!に収録されるアーティスト自体が特別です。心から好きなアーティストや、たくさんの人達に広めていきたい曲をAZIAN MIXXX!!にしていきたいです。

■ “Winter Love”をはじめWESTAHOLICでもこれまで共演を果たしてきたDESTINOさんとの新曲“Fly From Here”はどのように生まれましたか？今回の表記からするとFILLMOREさん主導で曲作りが進んだと想像しますが、お互いにかわした曲のアイディアや、実際どのように曲作りが進んだかを聞かせてください。

F: 鋭いですね！まさにその通りです。彼は来年で作品をリリースしてから10年が経ちます。その10年という記念すべき作品をプロデュースしていきたくて、その始まりと言える曲が”Fly From Here”になります。始まりは、自分始動でES-PLANTに気持ちを伝えてトラックを創ってもらいました。「どうしてもDESTINOと一緒にヤバイ曲を創りたい」ってね。それからできた音源をDESTINOに聴いてもらって、ES-PLANTが創ったトラックを聴いていたらSiSYの声が入ったらこの曲ヤバくなるんじゃないかなって思ってSiSYに声をかけたら気持ち良く引き受けてくれました。そこから完成まではあっという間。ES-PLANTもSiSYも配信すれば、iTunesのTOP5に入る実力を持っている。DESTINOはPROPSが最も高いアーティスト。自分から始めた事だけど、最高なアーティストと一緒に曲を創れて感謝しています。来年早々にこの曲の配信も始まるし、春にはDESTINOのフルアルバムを予定しています。自分が経験してきた事をDESTINOに注いで彼の10周年に華やかにしてあげたいです。

■ また、DESTINOさんのことを知らない人にどんなアーティストかを伝えるとしたら？

F: 自分がDJを始めた時からずっと一緒にやってきた唯一のアーティストです。お互い子供だったな…高校生だったもんね。そこから始まって、良きライバルであり、良き相棒、常に一緒に居たから今さら「また一緒にやろう」ってのもおかしな話ですよね。ま、彼を自分の口から伝えるとしたら、純粋で真っ直ぐなラッパーになるかな？？感受性も高いから芸術肌であると思う。インターネットで露出しなくても、ステージに立てば光る。今までやってきたこと、創ってきた作品、メッセージに間違いが無いからこそ今のDESTINOがあると思います。

■ FILLMOREさんの考えるDVDミックスならではの魅力は？ 同じくDVDミックスならではの制作の喜び、苦しみなどもあれば聞かせてください。

F: ミュージックビデオの効果はとても大きなものと感じています。気に入っている曲のイメージを目で見るとより好きになったり、アーティストが伝えたい意思やメッセージを強く感じる事ができるのが魅力の一つですね。DVD制作での苦しかったり悩むところは、曲数に限りがあるところ。
入れたい曲や、アーティストがまだ、たくさんあるから、そこをVol.3で収録していきたいです。それ以外で苦しんだり悩む事なんて一つもないです。制作は基本、自分の一番やりたいことだから常に曲と曲を繋いで遊んでます。それと、音源に映像がカッコよくハマったものを見る喜びは半端ないです。この作品は、SCIENCE WORKS と二人三脚で作成しているから、映像を見てビックリさせられるところもあれば、意見を出し合ってより良くしていく作業があるから、仕上がってきた時の感動は半端ないです。

■ 特にヒップホップ、日本語ラップをよく知らないようなリスナーには本作をどのように楽しんでもらいたいと？

F: メディアを否定する気はさらさらないけど、メディアを通して間違って伝わってしまった…例えば、HIP HOPを強調しようとして引き出しすぎてしまうことなどと…そんなHIP HOPのイメージとは全く違う「本物」のHIP HOPがここにあります。AZIAN MIXXX!!を求めてくれる人の数も以前より大幅に増えてくれました。ここには、普段からHIP HOPを聴かない人や知らなかった人達も多いと思います。どんな人が聴いても「カッコいい！」「良い音楽だ！」ってならなければ『AZIAN MIXXX!! Vol.2』には繋がらなかったはず。今、こうしてVol.2のリリースに繋げられたのは「本物」を提供できてるからだと思っております。

■ 本作はもちろん、今後の予定やその他さらに言っておきたいことなどがあったらなんでもどうぞ。

F: まずは、最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございます。『AZIAN MIXXX!! THA DVD!! Vol.2』ができたのも、『AZIAN MIXXX!! THA DVD!! Vol.1』が成功を納めた結果と感じています。手に取って聴いてくださったみなさん、ありがとうございます。またVol.2を大成功にし、Vol.3に繋げていきたいです。日本のHIP HOPシーンに多大な影響を与える作品へと成長させていきます。次のインタビューで、一位を獲得した報告ができたら最高ですね。期待を遥かに上回る内容に仕上がりました。是非、手に取って聴いて頂きたいです。来年2014年に始動するプロジェクトも控えております。今後の動き、楽しみにしていてください。