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ジャパン・ツアーを来週に控えたマイス・パレード=アダム・ピアースの来日直前インタビュー!最新MV公開!
2013.05.16 VIDEO

ジャパン・ツアーを来週に控えたマイス・パレード=アダム・ピアースの来日直前インタビュー!最新MV公開!

1998年のデビュー以来、あくなき前進を続けてきたアダム・ピアース率いる不定形ユニット、マイス・パレード。昨年11月にリリースした最新作『カンデラ』で、明らかにマイス・パレードでありながらも、これまでとはひと味違う、シンプルかつ有機的なサウンドでまた新たな衝撃を与えてくれた。そんなマイス・パレード=アダム・ピアースに、来週に控えた約3年ぶりのジャパン・ツアーと、最新作『カンデラ』について語ってもらった。

また、最新作『カンデラ』から、「This River Has A Tide」のMVを公開。

【MICE PARADE – This River Has A Tide】
http://youtu.be/crozsrkxpBA


■最新作『カンデラ』について

Q:完成前に、「前作と、今までやってきた活動をいったん忘れて、もっと良いものを作りたかったんだ。これがその成果だと感じている。アルバムとしてもより良いものができたと思う」と言ってましたが、手応えはいかがでしょう?

この答えには色んな面があるね。何かを作ってる時って、すごくエキサイティングな時期でもあるんだ。変化も成長も目の当たりにしているからね。でも、より具体的なことを言うと、まずこのアルバムはよりインプロヴィゼーションを駆使して作曲を行っていったんだ。初期のアルバムに近い感じかな。曲を「作る」というよりは、スタジオで即興で色々演奏しながらレコーディングを進めていったんだ。そしてもう一つは、マイス・パレードのアルバムとしては初めてスタンダード・チューニングでギターを演奏しているんだ。今までは必ず違ったチューニングを使っていた。一つ面白いエピソードとしてあるのが、クランボンのミトにあるチューニングを見せた時、「なるほど、マイス・パレードのように聴こえるね」って言ってくれたんだ。思わず笑っちゃったよ。だから、逆にスタンダードのチューニングを使うのが自分にとってはチャレンジの一つでもあったんだ。そして感情面で言うと、このアルバムは過程の途中にいることより、過程を終えて、それを記憶として振り返っている気持ちの方が強いんだ。この人生同様にね。

Q:今作に対する欧米のメディアやファンの反応はいかがでしょう?

まず、メディアの反応はどうでもいい。気になるのは人間だけだよ。Drowned In Soundのような大きなサイトが10点中9点と評価してくれるのはもちろん嬉しいこと。でも、西洋のロックかポップしか聴いたことのないようなガキが評論家ぶってやっているようなサイトが何を言おうとどうでもいいんだ。ピッチフォークみたいな所がアルバムを気に入らなくてもいい。むしろ、そういうところがマイス・パレードを嫌いでいた方が、自分は正しいことをやってると思えるんだ。僕らの音楽は一緒に存在して、消化して、時間をかけて聴いていくものなんだ。ある時だけ騒がれて、高い点数取って、翌月には消えてるというような話題だけのロック・スターたちとは一緒にされたくないんだ。音楽業界のこうした一面はもううんざりだよ。でもファンのみんなは最高。昨年、クロアチアやイスタンブールといった全く新しい場所にも行かせてもらった。みんな叫んだり、興奮したりして、すごく嬉しい気持ちにさせてくれたね。僕らも叫んで、ハッピーになれたよ。クロアチアとかはライヴは月曜だったんだけど、ショウが終わってもお客さん全員残って、一緒にカヴァー曲をやって大合唱したいって言ってきたんだ。もう何曲も歌って、気付いたら火曜の朝だったよ。大勢でカラオケをやってるような感じだった。スミス、キュア、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ビートルズ、ストーンズ……。たくさんやってね。クロアチアはすごく面白いところだった。

Q:今作の制作において影響を受けたアーティストがいたら教えてください。

僕が受けるインスピレーションって音楽的じゃないと思うんだ。もっと経験とかから来るね。このアルバムのタイトルは小さい時の経験から由来するものだったりするよ。

Q:今作の制作にあたって注意した点、苦労した点があったら教えてください。

過去の辛い感情を記憶から掘り起こして、もう一度感じるところだったね。

Q:すでに次作の構想はありますか?

ここ最近、異なるラインナップで演奏してきているんだ。アコースティックでもっと生々しいというか。この感じは僕にとっても新鮮でチャレンジングな部分なんだ。次は5曲くらいのEPをこのイメージで、少人数で作ってみたいと思ってる。リスナーからも、その空間の響き、爪が弦に当たる音、そうした親密な雰囲気を味わえるような。

■ジャパン・ツアーについて

Q:今回のバンドのメンバーを教えてください。

今回のツアーはより少数のラインナップなんだ。でも、全部のディテールを聴ける空間を演出したい。シンガーのささやきからダン・リッペルの素晴らしいギター・プレイまで。でも静かな感じだけではない。大きくなるところはしっかりと大きくなるように、エンジニアのブランドンが仕事してくれるよ(笑)。新曲も2曲ほど用意しているし、今までの楽曲もかなりアレンジを変えたりして演奏する予定だよ。

Q:日本でのライヴと他の国でのライヴで違うところがあったら教えてください。

すごく違うね。まずお客さんが静か!曲の最後の最後の音が鳴るまで、みんな真剣に聴いてくれるんだ。世界中でこんな礼儀正しいお客さんはいないよ。もう思うがままに叫んだり、拍手したりする人が多いからね。そして日本でのライヴは始まる時間が早い。海外だと夜11時に始まるとかは当たり前だし、イタリアとかスペインはもっと遅かったりするんだ。

Q:5/23(木)の東京、渋谷のO-nest公演は「grab bag」と名付けられていますが、実際のところ、どんな感じのショウになるのでしょう?

それぞれソロで曲をやったり、カヴァー曲もやるし、アイスランドの曲や古いイタリアの曲、アメリカやイギリスのインディ・ロックのカヴァーもやるし、バッハやシュトラウスの曲なんかもね。新しいマイス・パレードの曲もやるかもね。

Q:日本ツアー後の予定を教えてください。

ハワイに行くんだ!  日本から戻る時、ハワイに立ち寄るのが一番良い方法! そこからアメリカの西海岸をツアーして、シアトルで終了予定だよ。

Q:最後に日本のファンにメッセージを。

ライヴ・ミュージックを応援し続けてくれてありがとう。音楽は生で聴かれるべきものだからね。そして、いつも日本に行ける機会をくれてありがとう。とても光栄に思っているよ!

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    Candela
    2012/11/07 CD PCD-93591
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