リリース情報

Dear God, I Hate Myself
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Dear God, I Hate Myself
シュシュ
『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』
2010/02/17
CD
PCD-93323

¥2,415(税抜¥2,300)
歌詞付 対訳付 ※対訳:喜多村純

2008年6月の来日公演でも圧倒的なライヴ・パフォーマンスでオーディエンスの度肝を抜いた鬼才ジェイミー・スチュワート率いるシュシュによる待望の新作フル・アルバム! 前作『ウィメン・アズ・ラヴァーズ』同様、ディアフーフのグレッグ・ソーニアとの共同プロデュース。

新メンバーにアンジェラ・ソ(ピアノ、シンセ、ドラム・プログラミング)を迎えている他、来日時の素晴らしい演奏も記憶に新しいドラマーのチェズ・スミスも全面参加、ティンパニやコンガといった打楽器ばかりでなく、ムーグシンセまで持ち込んでいる。アルバム・タイトル曲をはじめとした4曲にはニンテンドーDSが効果的に使用されるなど、緻密に構築された独創的なゴシック・ポップ・サウンドが素晴らしく、スチュワートの歯に衣着せぬ強烈な歌詞とヴォーカルも相俟って引き込まれずにはいられない。

シュシュについて書かれた文章のほとんど全てで目にするのは「容赦ない」とか「冷酷な」といった言葉だ。揺るがない視線が私たちの生の詳細にわたって注がれるときに「真実」の前に立ち現れるのと同じ言葉。音楽の中心的な主題を公正に記述するなら、それはシュシュのニュー・アルバム『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』の12曲を作るのに取り入れられた、緻密で複雑で美しいアプローチと矛盾するようにも見える。

シュシュの過去作を通じて一貫している最大の要素は、率直さと発展性である。それは『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』においてもあてはまるもので、このアルバムは、責任や恐れや癒しや社会的な役割に目を向け、濃厚なゴシック・ポップにくるんでいる。そのサウンドはやはりシュシュ独特のものだが、ジェイミー・スチュワートのヴォーカルは、繊細さに満ちたメロディとシュシュの新作ならではの期待に応える明瞭な音楽言語と組み合わさって、ついに無理がないものに聴こえる。その結果生まれたのは、アートがポップになりうること、ポップが自分の内面を見つめることを促し得ることを証明するレコードである。

フルタイムのバンドメンバーとなったアンジェラ・ソ(ピアノ、シンセ、ドラム・プログラミング)がスチュワートに加わり、プロダクションはジェイミー自身とディアフーフのグレッグ・ソーニアが担っている。彼らは『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』の成熟したサウンドを一緒に作り上げ、そのゴスとポップの要素は、多くの素晴らしいミュージシャンたちによって見事に演奏されている。ソーニアと同様、チェズ・スミス(ジョン・ゾーン、テリー・ライリー、マーク・リボー)もレコードの多くの部分で演奏しており、ティンパニやコンガやムーグの他にも幅広い楽器を持ち込んでいる。ディアフーフのジョン・ディートリックは、伝承歌「Cumberland Gap」のカヴァーで全面参加しているし、スチュワートによる悲嘆と治癒への頌歌「This Too Shall Pass Away (for Freddy)」では、インマクラータ・カソリック・スクール・オーケストラまでもが参加している。任天堂DSを主として作られた4曲のうちの1曲であるタイトル曲「Dear God, I Hate Myself」は、信仰と絶望の関係を探り、音楽自体の奇妙なサウンドが多層的な注釈をもたらしている。

シュシュの新作は常に、ジェイミー・スチュワートとその周辺の人々の生に寄り添うように発展してきた。このレコードには、これまで以上の緊張感と内省が見出せるが、音と歌詞の両面においては前進を続け、微妙に新しい視点も伴っている――一点集中でありながら、外側で大きな絵が広がっていることにも気付いているような。レコードのペースは聴く者を捉えて離さない。音楽は幾層にもわたるディテールを示し、テーマは単に過去と現在に留まらず、未来の黄昏をも暗示している。『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』は、自分の内面を見つめることを促し、強いることすらするが、それは音楽に没入した後の話だ。この音楽は激しく、エネルギーに溢れ、心を揺さぶる。

『ディア・ゴッド、アイ・ヘイト・マイセルフ』は、人文主義的なアートの美しい作品であり、発展し続けるシュシュの一連の聡明な音楽へ重要な一章を付け加えている。そして、本作は何の隣に並べても見劣りしない素晴らしいゴシック・ポップのレコードでもある。

  • DISC 1
  • 1. Gray Death
  • 2. Chocolate Makes You Happy
  • 3. Apple for a Brain
  • 4. House Sparrow
  • 5. Hyunhye's Theme
  • 6. Dear God, I Hate Myself
  • 7. Secret Motel
  • 8. Falkland Rd.
  • 9. The Fabrizio Palumbo Retaliation
  • 10. Cumberland Gap
  • 11. This too Shall Pass Away (For Freddy)
  • 12. Impossible Feeling

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