NO AGE ノー・エイジ

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ノー・エイジ(NO AGE)

ロサンゼルスのインディー・ロックの聖地として現代版CBGBとも言えるユース・アート・スペース、ザ・スメル(The Smell)。その運営に関わるオピニオン・リーダー的バンドが、ディーン・スパント(ドラムス&ヴォーカル)とランディー・ランドール(ギター)によるノー・エイジである。英ファット・キャット・レコーズからリリースされ好評を博したシングル・コンピレーション『Weirdo Rippers』に続くデビュー・アルバムである『Nouns』をサブ・ポップから2008年春に発表。米ピッチフォークでは9.2と破格の評価を獲得、同サイトの年間アルバム・チャート3位にも選出された。更にSPIN、ROLLING STONE、NMEなど有名主要メディアでも軒並み高評価を得て、2008年の “ロックの新しい音” を代表する1枚となった。レディオヘッドのメンバーやコーネリアスがノー・エイジのTシャツを着用するなど、話題に事欠かない。

2009年末から2010年初めにかけてロサンゼルスで録音された『エヴリシング・イン・ビトウィーン』は、ディーン・スパントとランディ・ランドールのデュオ、ノー・エイジのニュー・アルバムである。彼らは、2005年に前身バンドのワイヴズで登場し、やがてノー・エイジとしての活動を始めると、LAのDIYなアート・パンク・シーンを守る存在として世界的に知られるようになった。その中心地点が、ザ・スメル(TheSmell)であることはいまや有名な話だが、それは、アートと生活もしくは音楽と生活がひとつになって、クリエイティヴな運動やアティチュードを喚起し、世界中の同じような考えを持ったパンク・ミュージシャンやアーティストの豊かな表現の場となったクラブハウスである。

彼らの2007年のデビュー・アルバム『ウィアード・リッパーズ』(FatCat Records)のリリースに始まり、2008年のサブ・ポップからの『ナウンズ』を経て今に至るまで、ノー・エイジは、ピッチフォークからザ・ニューヨーカー誌(2007年11月19日の記事「Let It Up」)まで、驚くほど幅広い筋から熱狂的な評価を得てきたし、思いがけずグラミーにノミネートされさえした(2008年の「Best Recording Packaging」部門)。
ノー・エイジは汗まみれの地下室でのライヴやアート・ギャラリーでのパフォーマンスから、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の壁を爆音で揺らしたり、地元や海外の別を問わず、型にはまらない様々な場所で演奏したりするようにまでなった。

そして、『エヴリシング・イン・ビトウィーン』は、彼らのクリエイティヴな成長において、大胆な一歩を踏み出すものになっている。それは、人生の決壊や成功、ぶつかって傷ついたりしながらそうした時期を通り抜ける過程について考えをめぐらした総決算である。彼らは、挑戦的で異なる方向性へと自らを駆り立て、彼ら一流のぶっ飛んだポップ・ソングを解体しつつも、本来の美学や意図は今なお保っている。『エヴリシング・イン・ビトウィーン』で、ノー・エイジは、音色と構造とノイズとサンプルを通じたキャッチーなソングライティングの核にあるエモーショナルな力を増している。そして、それは彼らの最高傑作になったと言っていいだろう。

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