THE DIABOLICAL LIBERTIES ザ・ダイアボリカル・リバティーズ
あれは 2014 年、フランスのセットで行われたワールワイド・フェスティバルのときのことだった。作ったばかりのデモをジャイル ス・ピーターソンとアレックス・パッチワークに聴かせたんだ。人生の大半を暗いクラブの中で踊りながら過ごしたことについて の詩を書いてたんだけど、それを封筒に入れてアンドリュー・ウェザオールに渡したんだ。その中の詩からできたのが「Wind Up Saint Peter」という曲だった。
いくつかの詩は音楽に合うかもしれないと、アンドリューが提案してくれたので、私はバックトラ ックの上にギターを弾いて上から重ね、シェイカーやドラムと合わせたんだ。 全てにスペース・エコーのディレイをかけているから、ンボングワナ・スター(コンゴ、キンシャサ のバンド)の音楽のように奇妙に聴こえるかもしれないね。アレックスがミックスしたいと手を挙げ てくれて、ジャイルスは必ず DJ でプレイできるようなサウンドにするべきとアドバイスをくれたん だ。こうして誕生したのが、ダイアボリカル・リバティーズだ。
名前は映画の「長く熱い週末(原題:The Long Good Friday)」から取ったんだ。有名なロンドンの 映画だよ。ボブ・ホスキンスが演じるギャングスターのハロルド・シャンドが、ロンドンの再開発計 画を取り仕切ろうとしていた。ある場面でハロルドがロンドンの他のギャング達を集めて自由が 奪われることについて語っていた。つまりはダイアボリカル・リバーティズ(極悪非道な自由)なん だ。ロンドンはトタンの 70 年代から磨かれたガラスの 80 年代にかけて大きく変化してきた。この音楽はその大きな変化のサウンドトラックなんだ。オン・ユー・サウンド、サン・ラー、トーキング・ヘッズ、ジャー・シャカ、マンキ ューソのロフト、PIL などなど。それから DJ ハーヴィーに要約される「セックス・ピストルズの『勝手にしやがれ!!』から『サタデー ナイト・フィーヴァー』までが同じ年に発表された」ような精神も含まれている。こういうことに完全に影響されたんだ。
私は当時から今までずっと踊り続けている。クラブシーンをさまよい続けてその精神を追い続けている。すべては輪廻転生の ように繋がっているんだ。そして今こそ、その極悪非道な自由をイギリスの暗いダンスフロアに取り戻すときなんだ。
昔の海賊のサウンド、ラム酒を飲みながらヴードゥーのチャントを唱え、また岸から離れていく。そんな感じかな。