SEEKAE シーケイ

OFFICIAL SITE:http://www.riceisnice.net/artists/seekae/

シーケイという名の存在は2006年に始めて形成された。同じ小学校出身だったアレックス・キャメロンとジョージ・ニコラスが、高校を卒業する頃に、約8年ぶりに偶然再会したところから始まった。アレックスが当時バンドを一緒にやっていたジョン・ハッセルを紹介。そしてそれぞれが寝室でエレクトロニック・ミュージックの新たな可能性を探っていたこともあり、三人の力を合わせて何かやってみようと決心したのである。

その後二年間、当初はコマンダー・キーン、そして後にシーケイと名乗っていた三人は自分たちの音を探し、磨き、そして表現していった。IDM、ヒップ・ホップ、インディー・ポップやアンビエントなポスト・ロックの要素を混ぜ込みつつ、全く新しい形のオーガニックなエレクトロニカを構築。冗談半分で、自らの音を「ゲットー・アンビエント」と名付けていった。同時に、単に音源を作るだけでなく、その音をいかに「生演奏」で表現するかも追及していく。MIDIシグナルやデジタル・パーツ、一見無機質な音でもどう組み合わせて、どうライヴ演奏すれば「生」になって、聴く者の心を掴めるか。答えは比較的早く見つかった。そして瞬く間に地元シドニーの間に彼らの話題が広まり、彼らの予想不可能で中毒性のあるライヴは評判を呼んだ。ドラム・マシーンから、ギター、シンセ、メロディカからグロッケンスピールまでを事前にプログラミングされたサンプルの数々を生で引き出しつつ、生ドラムとキーボードの生演奏なども加わったそのパフォーマンスは実に斬新なものだったのである。

数年間レコーディングにも力を入れた結果、シーケイはデビュー・アルバム『The Sounds Of Trees Falling On People』をリリース。繊細かつ壮大なエレクトロニカ・サウンドは、デビューにしては果敢に攻めた70分越えの作品であった。8ビットから浮遊感あるポップもあり、アンビエント色もあれば実験的ノイズも混じった、まさにスケール感も表現力も新人らしからぬものだった。各方面での評価も高く、ローリング・ストーン誌は「凍りついた森のようにアンビエントかつ圧倒的に魅了される」と言い、地元で最も影響のあるラジオ局、FBIはこの10年間のベスト・アルバムの一つとまで称した。

アルバムの後はライヴ活動が続き、単独公演はどこもソールド・アウト、そしてブロードキャスト、PVTやクラウド・コントロールのサポートをも務めていく。そしてハイライトの一つとして、2009年の地元シドニーの音楽賞でベスト・ライヴ・アクト賞を受賞している。

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