AKRON/FAMILY アクロン/ファミリー

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圧倒的な密度と広がりを感じさせる21世紀のアメリカン・スピリチュアル!

アニマル・コレクティヴやデヴェンドラ・バンハートとパラレルを描きつつも、全く独自の次元を切り拓く驚異の音楽集団!

もともと4人組だったが、前作の録音終了後に、ギタリストが仏門に入るために脱退して今は3人組。デッドやフィッシュにも通じる観客参加の要素が強いライヴでも知られ、2008年にはコーチェラ・フェスやワイト島フェスにも出演。

『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』は、彼らがトリオ――2007年、セス・オリンスキー、マイルズ・シートン、ダナ・ジャンセンは、同年秋にオリジナル・メンバーのライアン・ヴァンダーフーフがバンドを去ってから、3人組になった――として録音した最初のアルバムにあたる。アクロン/ファミリーがアルバムをセルフ・プロデュースしたのもこれが最初であり、元々在籍していたレーベル、ヤング・ゴッドを離れてから最初の録音になったのも本作だった。これらの変化はこれ以上ないほど重要な結果をもたらし、全て『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』におけるアクロン/ファミリーの転換の核となっている。

2007年に発表した『Love Is Simple』の後に、バンドはツアーへのアプローチを変えた。彼らは、メガフォーン、ザ・ドードースやグレッグ・デイヴィスといったうまの合うミュージシャンたちを、オープニング・アクトも兼ねた、常に変化し続けるアクロン/ファミリー・アンサンブルのメンバーとして引き連れ、曲の合間にステージ上での騒々しいジャムを織り込んだ。それがアクロン/ファミリーの3人のメンバー――ジョン・コルトレーンやアルバート・アイラーのアンサンブルにあった直感的な言語のようなものでお互いと交信している――だけの時にしろ、1ダース以上のゲスト・ミュージシャンたちが加わった時にしろ、彼らのライヴ・パフォーマンスは一種の伝説となりつつある。アクロン/ファミリーによる2008年のオースティンのエモズでのライヴは、こうした伝説的なパフォーマンスのひとつだった。バンドはステージから降りて、アーケストラのような自由参加形式で観客と20人近くいたミュージシャンたちを先導し、騒がしくシャツも脱ぎ捨てた街頭でのシングアロングのパレードを繰り広げた。こうした羽目を外したパフォーマンスは、モノリス、ワイト島、ハイ・シェラ、コーチェラ、エンド・オブ・ロードといったフェスティヴァルでも観客に目撃され、それからというもの、アクロン/ファミリーの魔法の噂は瞬く間に広まっていった。オリンスキー、シートン、ジャンセンのトリオにはまさに目を見張るものがあった。

ライヴではより大きくワイルドになっていった1年を経て、バンドは『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』でよりシンプルなものに立ち戻っている。外からの援助はわずかにとどめ、このトリオは集中的で力強くまとまりのある作品を生み出した。『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』は、世界中の観客を魅了したビッグ・バンドの共同体的な精神を維持しながらも、その核の部分でこそアクロン/ファミリーを際立たせている――3人のミュージシャンが、対等に、心の奥底から音楽を作り出しているというその1点において。『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』は、疑いなく特別で、途轍もなく力強い。『セッテム・ワイルド、セッテム・フリー』は新しいサイケデリック・ロックである。

 

Participated works