KING キング

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キング(KING)

キングの物語は2011年に始まった。全てを兼ね揃えたトリオが彼女らの風変わりなモダン・サウンドとともに心情とイマジネーションを込めた3曲入りのEP『The Story EP』を自主でリリースし、音楽業界、メディア、ファンから大絶賛されたのだ。

ドリーム・ポップ・トリオのキングは、双子のパリスとアンバー・ストローザーと、音楽的姉妹といえるアニタ・バイアスで結成された。彼女らのサウンドを家族や友達に聴かせることを目標に、EPを自主でリリースした「The Story」のハンドメイドなミュージック・ヴィデオも公開した。リリースして間もなく、クエストラヴ、ジャイルス・ピーターソン、ナイル・ロジャーズ、ミゲル、ジャネル・モネイ、ソランジュ・ノウルズ、ジル・スコットなどの多くのアーティストやインフルエンサーらによってキングの噂は急速に広まり、多くのメディアの注目を集めた。なかでもLAウィークリーはインディペンデントなミュージシャンの注目せざるを得ない話と特集した。この自主制作盤は小さなファンファーレとともに発売され音楽愛好家のもとに届き、かつて聞いたことのない魔法的なクオリティの音楽を聴いたような印象を受けたかのようだった。長年サポートしてくれているエリカ・バドゥはなぜこんなにもキングのファンになったか次のように語る。「今までに聴いたことのないような何かなの。まるで2029年にいるような音楽。彼女らは先に行っているのよ。メロディーが本当に感動的で、体から何かを取り出される感じ。いまもインスパイアされてるの。」

キングの音楽のクオリティには間違いなくレトロな何かもあるのだが、彼女らの音楽には未来的なセンスの良さも兼ね備えている。パリスはジャズ・スタンダード、モリス・ラヴェル、ディズニー映画そして任天堂を引き合いに出して影響を受けてきたと語る。任天堂は8ビットのテレビゲーム・スタイルのミュージック・ヴィデオ「The Greatest」、漫画スタイルのアニメーションは「Carry On」のミュージック・ヴィデオに影響を与えている。「(ゲーム音楽作家の)近藤浩治と彼が手がけたスーパーマリオの音楽にずっと影響を受けてきたわ。聴覚的な驚きとか変わった楽器を取り入れたいと思ってたの。たとえ何度ゲームをやったり音楽を聴いたとしても、常に新しい何かがあるんです。」貪欲な読者や詩の愛好家は、彼女らの文学的な芸術性を歌詞のストーリーテリングの中に見出し、音楽の中に明白に現れていると言うだろう。Micマガジンでは「キングの音楽には皆が気が狂うほど恋に落ちてしまうだろう。彼女らはジャンルや時代を超えた音を混ぜ、完全に新しい音楽を作り上げたのだ。」キングの3人はスティーリー・ダンとスティーヴィー・ワンダーに共通して影響を受けたという。しかし3人はそれぞれが個別に受けてきた影響を持ち寄った。アンバーはクインシー・ジョーンズ、坂本龍一、コクトー・ツインズに。アニタはブレンダ・ラッセル、パトリース・ラッシェン、ベビーフェイスに。パリスはXTC、ジョニ・ミッチェル、フランク・ザッパに影響をうけてきたという。キングのユニークなサウンドはこの影響をうけてきたアーティストに、3人の音楽的センスを加えられて出来上がったのだ。

名前にはどんな意味があるのだろうか?アニタは、彼女たちのあだ名だという。「キングは神のお告げみたいな感じ。私達に付いた唯一の名前よ。私たちのストーリーを伝えていこうと固く誓ったの。」それに加えてアンバーは「予期しなかったことが起こったときの驚きの一成分。それから挑戦ね。みんな何はアレは誰だって考えてもらいたいの。キングと名乗るなんてどんなやつだって。」と語る。

「The Story」、「Supernatural」、「Hey」は丁寧に作り上げられたドリーミーなサウンドで、3人組のお披露目となった「The Story EP」の収録曲だ。リリースして数ヶ月でNPR、ビルボード、ザ・ガーディアン、LAウィークリー、エッセンス、グラマー、ヴァイブ・マガジンや多くのブログに取り上げられ、大きな映画やテレビ番組で楽曲が使用された。世界中のファンが曲をカヴァーしたり、トリビュートのダンス映像を作成しているという。そして音楽業界が大いに注目しだした。多くのDJが現場やラジオ番組でプレイし、多くのミュージシャンが早速サンプリングしている。なかでも特筆すべきはケンドリック・ラマーがミックス・テープ『Section 80』の収録曲で「Hey」をサンプリングしていることだろう。噂は更に広まりキングは数えきれないほどのファンを獲得してきた。その中にはなんとプリンスもいる。プリンスは初期からの熱狂的なキング支持者でLAフォーラムで行われた自身のショーでは前座に抜擢し、自分のステージでも共演したのだ。その後にはニューヨーク、ロスアンゼルス、ボストン、ミネアポリス、シカゴ、ロンドン、アトランタ、アムステルダムなどでツアーを実施。ローラ・マヴーラ、リアン・ラ・ハヴァス、ユーナ、ミシェル・ンデゲオチェロ、そしてエリカ・バドゥのサポートも務めてきた。キングのライヴ編成はシンプルなトリオ編成だ。パリスはクラシックシンセのコレクションとドラムマシーンを配置し、バンドはムーグと、デイヴ・スミスの楽器、ノードそれからMXRのペダル。これらの楽器がスタジオでもライヴでもみずみずしいサウンドを創りだす。

EPのリリースに続いて、共同制作のプロジェクトを多くのアーティストやコンピレイションで行ってきた。参加した楽曲は、アダム・ランバートとナイル・ロジャーズとともにアヴィーチーの「Lay Me Down」、ザ・フォーリン・エクスチェンジの「All The Kisses」、ジル・スコットの「So Gone」などがある。ビラルの『A Love Surreal』のプロデュースと共同作曲、エリック・ロバーソンの「Just Imagine」の作曲とプロデュース、コリーヌ・ベイリー・レイ、ソランジュ・ノウルズ、サム・スパーロともコラボレーションを重ねてきた。フェラ・クティのトリビュート作『Red Hot + Fela』では彼女らのフェラ・クティの解釈曲「Go Slow」を収録。マイルス・デイヴィスのコンピレイションとこれから公開される自伝映画『Miles Ahead』にはオリジナル楽曲の「Song For Selim」を提供。ロバート・グラスパーとのコラボ曲「Move Love」はエクスペリメント名義での傑作『Black Radio』に収録されて2012年のグラミー賞に於いて、ベストR&Bアルバムを獲得した。

キングの折衷的なサウンドは簡単には定義できない。だが幅の広い多くの影響源を垣間見ることができ、各曲を通して共通の認識は、それは間違いなくソウルフルだということだ。スムースなヴァイブ、複雑に入り組んだプロダクションとハーモニーが特徴的な彼女らの音楽スタイルは、ホームスタジオで美しく進化してきた。三人だけの手によるもので、彼女らのルーツであるミネアポリスとロサンゼルスの影響も感じられる。パリスがキングの楽曲を制作し、アンバーとアニタは基本的にはシンガーだ。ユニークで陽気なキングのサウンドは三人で作詞しアレンジを手がけたものだ。ジャズ、エレクトロニック、ダウンテンポそしてソウルのクールでシームレスなブレンドは、パリスとアンバーが子供の頃から親にエレクトロニックな音楽のミックスを聴かされてきたからだろう。アンバーは天性のヴォーカルを、子供の頃にレコードに合わせて歌うことで育み、すぐに複雑で魔法的なトーンと作曲と作詞のスキルを磨いてきた。幅広いアーティスト、ジャンル、音楽的アイディア、ムーヴメントを探求することで、パリスはピアノの上での独自の声を発見した。

10代の頃から一緒に曲を作っていたが、姉妹は道を別れることになった。パリスはボストンのバークレー音楽院の奨学生となり、映画音楽の作曲に焦点を当てた近代の作曲とプロダクションを学んできた。アンバーは父親の未知を歩むべくシカゴの美容学校に通っていた。パリスはバークレーにてアニタと出会う。アニタがリハーサルを行っていたのだが、彼女の声に最初の瞬間から圧倒されたのだ。アニタはバークレーで一年学び、地元であるロサンゼルスへ戻ろうとしていた。LAでは両親から多くのソウルフルな音楽を聴かされてきたという。

「アニタにあなたの声が大好きだと伝えたんだけど、もう二度と会えないと思ってたの。私も卒業してLAに移ってばったりアニタに会ったのよ!学校では彼女の名前も知らなかったし、出身地も知らなかった。だけどあの日、彼女はあそこにいたの!」とパリスは語る。二人の23歳の誕生日にアンバーはパリスの住むLAを訪れすぐに街を気に入った。パリスはアンバーにここに残るように説得したという。アンバーは「『The Story』は西海岸に移住して過去と別れる話にインスパイアされたもの」と説明する。それまでアンバーはミネアポリスのネイルサロンで働いていた。パリスはセロニアス・モンク・インスティテュート・ジャズにて特別プログラムのコーディネイターを務めていた。しかしその仕事を離れて、信念に従ってチャレンジしようと決心した。「双子の姉妹と一緒にこの未知の冒険に出られるなんて素晴らしいでしょ。アニタも姉妹みたいになってすぐに一緒に曲を作るようになったわ。キングはなにか特別なことができると確信したの。」愛情をもって迎えられ三つ子になったアニタは加えて語る、「私たちはバンド仲間って言うよりもまず友達なの。すぐに親しくなって姉妹みたいになったわ。そして音楽が生まれたのよ。すでに動いている電車みたいで、やらないほうが難しいくらいくらい。」

デビューEPをリリースした後、すぐに三人はスタジオに戻って制作活動を続けた。2013年にリリースされたシングル「In The Meantime」はアンビエント・ロマンスともいうべき曲でビルボード・マガジンに先行公開され、NPR(注目のR&Bソング・トップ10)、ザ・ガーディアンUK(2013年のベストアルバム)バズバンドLA(30曲のお気に入り)などに特集された。手の込んだ制作は進化を遂げ2014年にリリースされた「Mister Chameleon」もNPR(ラジオ局が放送せずに入られない10曲)、ビルボード・マガジン(2014年のR&Bベスト10)などに特集された。

これから発表される待望のフル・アルバムは『The Story』に収録された3曲のリワーク、そして「In The Meantime」、「Mister Chameleon」を含む、彼女たちの物語の続編だ。「あのEPはこのフル・アルバムの始まりで、最初の3曲の思想や感情を広げてきたのよ。あの頃よりもものすごく成長したわ。」とアンバーが説明する。

このアルバムの作曲、録音、エンジニアリング、プロデュースの全てをキングの三人がホームスタジオで行い、ギターのカイル・ボールデン、ストリングスのトーマス・リー、ホーン隊にザ・レジメント・ホーンズという才能あるミュージシャンに参加してもらった。ミックスとマスタリングはニール・ポーグとブライアン・ガードナーの伝説のチームに依頼した。ドリーミーでトロピカルなコラージュを基本としたアートワークは、パリスとヴィジュアル・アーティストのジェフ・キムのコラボレーションで、アレックス・キングによる写真を使用した。アルバムのリリースに向けギアを上げるべく自身のレーベルキング・クリエイティヴを設立。楽しさと音楽の創造精神を詰め込んだミュージック・ヴィデオも制作してきた。

NPRの番組All Things Consideredではインタビューが特集され、プリンスは「完璧!」と一言、ジャム・アンド・ルイスは「お気に入りのアルバムの一枚だ。」と絶賛した。「私たち以上にこのアルバムを多くの人に気に入ってもらいたいの。このアルバムがいろんな形で影響を与えるような一枚になってほしいわ。世代を超えて、何かを制作することの全てが詰まっているの。」とパリスが締めくくる。

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