リリース情報
保坂和志──小説家。1956年10月15日山梨県生まれ。湯浅学──音楽評論家。1957年1月4日神奈川県生まれ。同学年のふたりは、にちに保坂氏が鎌倉に移ることで同じ時代にそう遠くない場所で育つことになります。
小説と音楽批評、ちがう分野を生業としながらもふたりの仕事はよく似ています。音や風景、あるいは記憶や歴史といったものが、ほかでもない「私」をなぜこのような気持ちにさせるのか、因習や慣例や方法論によらず、その原理までも考え抜く姿勢で重なりあうと思うのです。
本書は雑誌『ele-king』に好評連載中の同名タイトル対談をベースにして、掲載時に紙幅の都合で割愛せざるをえなかった部分を大幅に増補し、さらに本書のための特別対談を収録した決定版です!
中学生だった70年代のフォーク・ブーム、ロックと出会い、ジャズに耳を傾けた十代後半から現在まで、大瀧詠一もいればギル・エヴァンスもいる、ボブ・ディランに頭をひねるのみならず、ラジオやレコードのへ偏愛を述べ、語りのなかで当時の風景をたちあげる、音楽誌や文芸誌では絶対読めない対話の数々。
枠のない音楽のように自由な、それでいながら底流にはしっかりした共有の視座をもつ自由奔放な音楽談義をたっぷりお送りします。