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デーモン&ナオミ、ジャパンツアー2008ライブレポート公開

今年1月に行われたMelting Pot Vol.2―デーモン&ナオミのLIVEでは、p-vine cd & book shop newsメールマガジン会員だけの特典として、ライブレポーターを募集しました。
たくさんのご応募、そして当選者のみなさまには心のこもったレポートを書いて頂きありがとうございました。レポートの中から何通かをご紹介させていただきます。


【1/19 大阪公演】

デーモン&ナオミ 大阪公演を見る。
オープニングアクトとして、2組アコーディオン奏者 かとうかなこ さんと、渚にて の柴山さんがソロで演奏をしていた。2人ともアコーディオン1台、エレキギター1本とシンプルな楽器演奏で有ったが、楽器1つが奏でる音色に厚みを感じた。

場があたたまって来て、立ち見のお客さんが増えて来た。リラックスしてもらえるようになのか、会場スタッフが、イスを増やす。後方を見ても、全員座っている光景に、初めて行く会場だったが、良い会場だなあと和んだ。

そう思いながら、ステージを見ると、デーモン&ナオミのステージ準備に、バンドメンバー全員が、スタッフと一緒になって機材を準備していた。プロになるとスタッフに任せきりのバンドも多いが、その姿を見て、開演に期待が膨らむ。

メンバー登場。やはり、先程感じた通り、人優しく、温和なサウンド。  自然とこちらもリラックスして見入った。聴き入った。1時間少しばかりの心地よさを味わい、アンコール演奏突入。日本語でナオミさんが歌う楽曲が、つたない発音とともに余計心に響いた。日本語の美しさを少しばかり想い、アルコールが大量に入っていたためか、ホロッと成ってしまった。

そして、アンコール終了とともに、客電がついたが、拍手が止まず、なんと、アンコール2回目開始。社交辞令的なアンコールパフォーマンスは多々有るが、心から願うオーディエンスと、それに応えるバンド。なんか、場の持っているあたたかすぎる空気に飲み込まれて感動した。

 演奏終了後、サイン会も行われたようだが、終電時間のため、泣く泣く会場を後にした。


 帰りの電車で、想う。

音楽業界全体が、ダウンロード配信などで、パッケージソフトの売上、ライブの動員が芳しくないようだが、そんなの関係ないと思う。
ライブでの音楽は、言葉で表現できない空気を持っているし、手軽に入る音楽にはない音楽の素晴らしさを持っている。それを求めるファンや、コミュニケーションを取るバンドを目撃し、まだまだ音楽も行けるぞ〜と思う。あの緩やかな温かさは、何だろう? 忙しく流れる毎日に、大きな有意義時間をくれた気がした。明日からも頑張ろう。そう思って電車を足早に降りた。

―木村要


【1/22 東京公演】

 前回の来日のとき、O-Nestに上がるエレベーターでデーモンと 一緒になり、「あなたたちを見に来ました」と拙い英語で思い切って話しかけてみたら、とてもナチュラルな笑顔でThank youと握手してくれた。ああ、この飾らない感じは彼らの音楽そっくりだ、音と人間が一致しているんだ、となんだか感激した記憶がある。ライブはそれを確認させてくれるとてもよい機会で、一方的に音楽を聴いているだけなのに、なんだか本人たちと親密な会話をしているような気分にさせてくれる。

今回の来日でも、デーモンは相変わらずの飾らなさで、とても楽しそうに演奏していた。”This Car Climbed at Mt. Washington”での栗原さんのギターは口をあんぐりしてしまうほどに凄かったが、デーモンも同じく驚いたようで、彼の方を見ながらものすごく嬉しそうにギターをかき鳴らしている。曲が終わると観客の僕らと一緒に拍手までしている。栗原さんのギターはいつも冴えまくっているが、今日はどうやらさらに格別な出来だったようだ。彼ら自身にさえ予期できなかった決定的な瞬間を共有できたような気がしてこっちも顔がほころんだ。

だがハイライトはまだだった。僕はギャラクシー500のメルト・アウェイしそうな音像がとても好きだった。僕にとって、それを引き継いでいるように思えたのはデーモン・アンド・ナオミだった。ただし、ギャラクシーとは少し性質が違って、青色や白色に溶けてしまいそうな感じのメルト・アウェイ。本編最後の”Araca Azul”から”The Earth is Blue”のメドレーは、まさにそんな体験だった。ポルトガル語から英語へフッと変わると、身体全体が緩んで解放されて、意識はいろんなところに飛んでいってしまう。目をつぶってもつぶらなくても、頭のなかにはいろいろなイメージが浮かびあがってくる。知っている国や知らない国、行ったことある場所や行ったことない場所、時間も今だったり過去だったり未来だったり。どこかで見たことあるような、でもどこでもないような、そんな場所をたくさん訪れた。

地面から空の青さをみて、歌詞にひきずられるようにして宇宙にまで飛び出して、今度はその静かな場所から「地球は青い」と確認しなおしてみたり。不思議なことに飛んでいったどこにも人間の姿は見当たらなかった。円山町のビルにいながら、世界全体へと溶け出していくような、なんだか不思議な感じ。自分が自分からどんどん抜け出して、ニュートラルになっていく。よくわからないけれど、なんだか「生きててよかった」と思える瞬間だった。
大げさな、と思われるかもしれないが、本当にそうだった。

―土居伸彰